謡い初め(歌初)

菅浜の須可麻神社では青年たちが年ごもりをし、除夜の鐘が鳴りおわると、全員でお神酒をいただき、社前で一同参拝をしたあと、支部長の発声でつぎのようなお祝い唄をうたって社殿を3回まわり、村通りへとおりていく。唄い初めとも言い、唄そのものは伊勢音頭のバリエーションである。

 

明けりゃ元日 世はしめのうち 門にゃ青々 それさ松ばかり

(ハァーヨーイヨイヤナー)

今年や世が良うて 穂に穂がさがる 道の小草にも それさ米がなる

今年や豊年 穂に穂がさがる 枡はとり置き それさ箕ではかる

めでためでたいな 枯れ木の枝に 一の小枝に それさ花が咲く

お伊勢参いろばいな 多賀から拝め お伊勢お多賀さん それさ子でござる

伊勢は津でもつ 津は伊勢でもつ 尾張名古屋は それさ城でもつ

伊勢の豊受のな 銭かけ松は 松は枯れても それさ名は残る

お婆どこへ行かる 三升樽さげて 嫁の在所へ それさ孫抱きに

お前百まで 私しゃ九十九まで ともに白髪の それさ生えるまで

 

(引用・参考文献:わかさ美浜町誌「美浜の文化第一巻 暮らす・生きる」)

 

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