宇波西神社例大祭

宇波西神社では毎年4月8日に例祭がおこなわれ、その際奉納される神事芸能(王の舞・獅子舞・田(ベンザラまたはザザリコ))は、昭和51年(1976)に、国選択の無形民俗文化財に指定されている。

 

祭神は鵜草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと・神武天皇の父)である。

 

なお、例祭に奉納される神事芸能は、王の舞(おのまい)は、海山・北庄・大藪・金山の四氏子集落で、獅子舞は、郷市・松原・久々子の三氏子集落で、田楽は、ザザリコと呼称する日向が二年、ベンザラと呼称する気山(牧口)が一年の、二氏子集落で、それぞれ持ち回りで奉納している。

 

日向の旧家渡邊六郎右衛門家には今も「元宇波西」なる小祠が祭られており、例祭日には日向浦の漁民が、神饌を捧げて参拝することになっており、その先頭には元宇波西神社という小祠を奉祀する旧家渡邊六郎右衛門の当主が立つことに決められている。小祠は「出神(でがみ)」と呼ばれ、渡辺家の裏山にあたる「清浄の森」にある。この森こそ本来の斎庭(ゆにわ)なのであろう。

 

当主はあらかじめ小砂で清められた道を行き、神刀を奉持して行列の先頭に立つのである。神刀は1メートルほどの刀剣で、各種舞が納められるまで、およそ二時間余社殿の石段に立って両手で捧持する。

 

氏子範囲は、旧三方町の気山(小字=中山・市・中村・寺谷・切追(きりょう)・苧(お))・海山・北庄と、美浜町の気山(牧口)・大薮・金山・久々子・郷市・松原・笹田・日向で、以前は早瀬も氏子地域に入っていたという。宇波西神社のこれら氏子地域は、古く西郷村と呼称された。この西郷村の各鎮守社の多くは、現在も祝部(ほおり)制度を厳守している地域が多い。

 

(引用・参考文献:わかさ美浜町誌「美浜の文化第二巻 祈る・祀る」)

 

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