1月14日夜、坂尻では子供たちがガリアイ(狐狩り)のヤドに集合し、まず一回目は夕方6時半ごろから村の道を、
キツネのスシは七桶半ら、八桶に足らいで
地頭殿のおおせで キツネガリするといの ガイアイ ガリアイ
と大声でとなえ、門松で作った祝い槌でいっせいに地面をはげしくたたきながら回り、ヤドに帰って夕食を食べる。ついで7時半、10時ごろにも村中を回り、その間ヤドでカルタやスゴロクをして遊んだり、前日までに厄年や祝い事の家を回って集めた祝儀で購入した学用品やお茶菓子を年長者の大将が分配してすごす。そのあと、年長者の一行が夜中の2時ごろに、村中の玄関口を祝い槌でたたき、
今年の年はめでたい年で カドにはカドグラ セドにはゼニグラ 中には不動の宝蔵
と家ほめの文句をうたう。さらに漁師の家の前では「一番福」、農家の前では「福は内」、商家の前では「末繁盛」、また新婚、新築、厄年の家の前で「祝いましょう」ととなえて景気づけをする。
(引用・参考文献:わかさ美浜町誌「美浜の文化第一巻 暮らす・生きる」)
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