織田神社の王の舞

美浜町佐田の織田(おりた、地元ではおった・おたと呼ぶ)神社の例大祭は毎年5月11日に行われます。王の舞(おのまい)は16時30分頃から始まります。織田神社の御祭神は國常立尊(クニノトコタチノミコト)で、天地開闢の際に最初に現れた神とされています。織田神社の氏子集落は佐田、太田、山上、北田です。

宇波西神社、彌美神社の王の舞が屋外で行われるのに対し、織田神社の王の舞は屋内で行われ、時間は15分程度です。金襴緞子の衣装に鳥兜、天狗の面は濃い朱色(茶色がかった赤)で、鼻は反り返り、への字口をしています。舞い手は佐田地区の小学生高学年がつとめ、動きはさほど激しくありません。太鼓、掛け声に合わせ、「でんでんでん」の掛け声で床を強く踏みつける所作が特徴です。

また、王の舞に続いて、太田地区による獅子舞、山上地区によるソッソが行われますが、この「ソッソ」というのは裃を着用した3名の男性が大きなしぐさで舞台を3回まわり、その後正面を向いて一列に並んだ後、扇を広げて右から順に「ソー」、「ソニー」、「ソォー」と叫ぶだけなのですが、この一連の動作と観衆のヤジなどで笑いに包まれます。昔同じ町内の彌美神社から神輿をソーっと盗んできたという言い伝えにちなんだものだと言われています。実際彌美神社には現在も神輿はありません。神輿を盗んだことを通報したと言われているのが坂尻という地区であり、本来は織田神社の氏子集落になるべきところ、彌美神社の氏子集落となっているのはこのためだといわれています。

織田神社の王の舞は子供の舞

織田神社の王の舞は佐田区が担当しており、昔は25人衆と呼ばれる神事を担当する宮百姓が存在し、その長男が王の舞の舞手をつとめたそうです。もともと宮百姓の長老が王の舞の指導を行っていましたが、現在では宮司宅で5月最初の日曜日から9日まで、宮司の指導で王の舞の練習を行っています。舞手は小学生(5,6年生)の男子で、その父親が太鼓、祖父(または親戚)が矛持ちをつとめます。昔は笛もあったそうですが現在ではありません。

美浜で奉納されている三つの王の舞のうち、この織田神社の王の舞のみが子供が舞手となっていますが、昔の古い装束や面の大きさなどから、もともとは成人男子が舞手となっていたとも言われています。

(当項引用・参考文献:わかさ美浜町誌「美浜の文化第四巻 舞う・踊る」)

織田神社王の舞フォトギャラリー

▼織田神社の王の舞動画(2014.5.11)